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会社から「業務改善プログラム」(PIP) 対象と言われたらリストラ?対処法はあるの?

リストラ推進経営者及び幹部が実施している(会社側に)非常に有益な戦術【業務改善プログラム】(PIP)について、一部の記事で少し触れました。

その後実際に『被害』にあっているという声を含め、今真剣に悩んでいるという方々から反響がありました。

現在残念ながらこれらの施策はより巧妙化し、加速しています。

その為、今回はPIPについて解説を加え、その対処方はあるのか?について、実際に実行を指示されその手口(裏側)を知っている立場であった私だからこそ書ける記事を書きます。※以前の記事でも記載しましたが信条とする自信の考えにより「実行」はしませんでした。

それではまず、そもそも【業務改善プログラム】PIPとは何か?からスタートしていきます。

Contents

【業務改善プログラム】(PIP)とは何か?

業務改善プログラム、通称PIPとは、Performance Improvement Programの略称で、人事考課システムの一つとして近年取り入れられるようになりました。

明確に言えば、PIPはうまく解雇に持ち込むシステムです。
巧妙に責任は企業側ではなく労働者側であると思わせる手口(手法)を使います。

まず、『解雇リスト』を作成します。
※これに順位=辞めさせる優先度をつけ機械的に遂行していきます。

一般的には、年齢・業績・スキルなどから選出しますが、問題は表向きは業績が悪いなど一言で言えば会社のお荷物になっている人間を選定するということになってますが、そこに『政治的』思考が入ることが多々ありそれが大問題なわけです。

例えば、自分の地位を脅かす恐れがあるとか、単なる好き嫌いなどの視点でリストに入れる人間もいます。

しかし、このプログラムを導入するのは、ある程度以上の会社組織です。(上場会社など)それなのに『そんな個人的な視点でそのリストに入れて他の社員に問題だ!と騒がれないのの?』と思うかもしれませんが大きな組織だからこそ「ばれない」わけです。(そもそもそういうリストがあることは役員しか知らないことで一般社員は当然知らされるわけがありません)

小規模組織の場合は、そんなことをすれば、それこそ360度視点で会社内の人間が、それぞれの人となりを知っているので「おかしい!」となりますが大きければ大揉めにならない限りは表に出ず、そうならない様にすすめるのがPIPプログラムです。

また「そんな個人的なことで対象にできるのか」という疑問もあるかとおもいますが、それも簡単です。

まず最初に「リストに入れる人間はずっと(ABC評価なら)、かならずC評価を連続でつけます。その数値をつけるためなら、たとえば営業なら、わざと不利な得意先やエリアの担当にする。統計トリックを使い、不利な数値評価に持ち込むなど上司の権限を使いいくらでもできます。
※これらは実際に私のよく知っている非人間的なある人間が行った方法です。
これにより過去ずっとA評価だった人間が(その上司の下についた途端)ずっとC評価・・という歴然たる事実があります。それだけ上司の権力でいかようにもできるわけです。

その後、解雇対象リストに載っている労働者に、本人の業務改善能力の開発や向上などを目的として面談を行います。そこでは(最初だけ)あくまで「あなたに期待してます」「成長を望んでます」と従業員に寄り添っている姿勢や、真剣に考えているという演出をして面談に持ち込むのがミソとなってます。

簡単に記載すれば
・対象者本人に「具体的な課題改善計画や成長施策を立てさせる。」
(何度も再提出させたりする)
・計画ができたら、その期限を設けます。
通常は短期(長くて3ヶ月位)
・実際は達成困難なもので策定にあんるが、たまたま達成できたら、それで終わりではなく、次は「さらに成長」と次々ハードルを上げていきます。
・当然いつかは壁に当たりできない(未達成)になるので、それを理由に更なる降格や降給、そして本来の目的である解雇などの処遇をとります。

とまあ、こんな流れです。
後で訴えられないように「相互納得」であるとか、「自身で立てた計画(会社に強制されたのではない)」であり、未達成の場合にどういう処遇になるかなどが記載された書面にサインをさせることが多いです。

先ほどお伝えしたように評価については、行動評価ならばいくらでも評価者の偏った評価を反映できるし、一見正当にみえる「数値評価」もその気になれば統計トリックを使いいくらでも悪く操作できてしまいます。
結局は評価者次第ということです。

つまりは、会社側が解雇すると決めている労働者に対しては、課題に対して必然的に悪い評価を下して退職を推奨したり、精神的に追い込むので、労働者側は気力を失い会社の赴くままに退職をするケースがほとんどなわけです。

それでは、実際はどういう流れで実行されるのか?その裏側(実行者側)の行動も暴いて、具体的に羅列してみたいと思います。

仕掛けられた側(従業員)とリストラ部隊(経営者・幹部・上長など)に分けて記載します。

PIP従業員側の流れ

1.本人に「課題」たとえば「会社・組織にあなたは何を貢献できるのか?」などについて面談する内容を事前に告知し、その報告の為の個別面談のアポが入る。(具体的な改善計画や立案をさせる。)

2.本人はそれこそ、これの為の時間を貰えるわけではないので通常業務を行いながら、残業なども行い、必死になり計画を立てる。(パワポやエクセルなどの資料作成含む)
※通常は提出期限も短いので、サービス残業や自宅に持ち帰り徹夜したりして作成することも多くなってしまう。

3.資料(報告物・内容)は、面談前に提出を求められる。
※理由は、しっかり中身を把握しておきたいなどと、もっともらしいことを掲げてますが本来の目的は違います

4.本人は真面目に必死にプレゼン報告を行う

5.プレゼン内容はことごとく否定され、さらに厳しい(高いハードル)内容の再提出を命じられ、再面談予定が組まれる。

6.本人が「無理なので辞めます」というか、結果的にかなり厳しいチャレンジ目標に対し、「やります・・」と言うまで、何度でもダメ出し、資料作成(事前)再提出指示、面談が繰り返される。
※通常は、面談が繰り返されるほど、どんどん内容が厳しくなる。

PIP実行者(上層部)の流れ

1.幹部会にて【PIP(リストラ)対象者】について会議を行う。
※通常は人事部長と営業部長、管理部長などの幹部でも数名で行うことが多い。

2.そこで【リストラランク付け】明確に言えば「辞めさせる対象者」を1位から順にリストラ目標プラスアルファで抽出し表にする。
※どういう手段を使っても辞めさせるAクラスから、辞めてもらえたらありがたいCランクくらいまで区分けしておく

3.この表を元に個別面談計画を練る。

4.特に、絶対に辞めさせるAランクの場合は、事前に提出された課題を元に幹部が首を揃え、「どこに穴があるか?」「どう突っ込むか?」「それに対し、どういう切り返しをしてくるか」「それに誰が何を言うか」まで決め、ロープレまで行うなどの事前会議(打ち合わせ)を行います。(だから必ず事前に課題を提出させる必要があるわけです)
※業績改善会議などよりもこういうことに「幹部がわざわざ時間を割く」つまり『こっちの方が簡単に会社業績があがるという目先の近視眼しかない』ということ

5.面談は「予定通り(ロープレ通り)」に進められ、始終厳しい顔を創り、時間も面談予定時間を大幅に超えてもそのまま行うこともある。
※そのため対象者は『一番最後の時間』などに設定していることが多い
ここでは「(この計画内容では)あなたには期待できません」と相手の心を折る言葉が常套句として使用されます。

5.初回で対象者が『辞めると自ら言わない場合は』、どうやったら辞めると言わせることができるのかという議題で真剣に会議し(時間を割き)何回も繰り返す。
※通常は短期決戦を社長から求められているので、遅くなればなるほど、自分達の賞与に影響するので必死に真剣に行う
時には「資料をつくる為、サービス残業や徹夜したりしていること」を突き、「それは違法!そんな事を命じてない」とか「そうまでしないと資料ができない時点で能力が低い」とか「そこまで時間をかけてこれ!?」という対応をとり、さらに追い込む

ざっとこういうことが裏側(幹部側)で行われて(計画されて)ているわけです。

私も最初この手法(計画)を指示された時は吃驚し呆れると同時に、「よくもまあ、これだけ練り込まれたリストラ手法を・・」とものすごい怒りを感じると同時に呆れました。

特に、役割分担があり、ロープレまでやるというのもこれを本気でやるという人間は頭がどうかしているのか?とさえ思いました・・
さらに強く言われたのは、「絶対に肯定したり納得しないでください」ということです。

どんなに筋が通っていても、徹底的に否定しなくてはならないということも納得できず、何より(本人は)必死に真剣に考えて来るのに、最初から「答えのない問題を解かせる」というとんでもないプログラムを導入しよとしている組織そのものが許せず、「どうやって(PIP)を阻止するか・・」とそれこそ眠れない日々を過ごしました・・
※その対象者となる人間のリストをみると、過去お世話になった大先輩や元上司なども含まれているから尚更です。

これらのPIPを大規模に実施する場合や、もっと狡猾にする場合は全社員面談という大義名分を立てて、早期退職プログラムとセットで行うことも多いです。

そうなるとこんどは逆に「必ず辞めて欲しくない」対象者の引き留め策が必要です。
※早期退職プログラムに手を上げられては困る訳です。
その対象者の時には、面談内容もほぼ雑談で始終ご機嫌をとり、面談時間ぴったりもしくは早々と終わります。場合よっては昇格や昇給を提示したりします。(天と地の差ですね)
もちろん、再面談はありません。

それでは、実際にPIPを仕掛けられたら・・
対応策はあるのでしょうか?

PIPの対象となった際に対処法はあるのか?

PIPの対象となったときには、どのように対処すれば良いのでしょう。

裏側を知っている人間として明確に言ってしまうと、特に大会社ほど真っ向から戦い、完全に抗うのはかなり困難です。

通常会社側は資金力にモノを言わせ、労働争議に強い弁護士を顧問として雇ってます。

そのため、弁護士=代理人を立てると待ってましたとばかりに、弁護士同士の話し合いにステージを上げ、自分たちはノルマ達成とのんびり構えるだけです。
※弁護士にもランクがあり、通常は資金力のある会社の顧問弁護士のほうはが『上』であることがほとんどなので、まず『辞める』ことはすぐ決定してしまい、あとは条件面をどこで折り合うかという話になってしまうからです。(もちろん絶対ではないので代理人をたてるのは最後の手段として、事前にすぐ相談に行っておくことは重要です)

しかし、だからと言ってそのまま一方的に受け入れる必要はもちろんありません。

もし結果的に受け入れることになったとしても通常より多くの支度金・退職金などの名目金が上乗せされることもあるからです。
※最初のリストラ計画時に「ちゃんと」上乗せで支払う場合の退職金を損金として計画に入れているのがその証拠です。

それでは具体的に述べていきます。

・書面に簡単にサインしない。(内容をしっかりと吟味する)

まずは、冒頭でも説明しましたが、PIPの対象となったときには、会社から課題や評価が記載されている書面にサインを求められます。
サインすることで解雇などの処遇がされても何も言えません。そのため、サインをする場合は書類の内容をしっかりと読み、徹底的に質問をして修正意見を述べるべきです。
その際、先程の内容ですが確認の為ですなどと、メールなど後で見れるように証拠に残る形で残すのがお勧めです。

・状況により弁護士にも相談しておく

会社からの業務命令としてPIPが開始された場合は、会社に従わなければいけないですが、必要性や合理性、違法性、相当性についてはしっかりと確認しなければなりません。

そしていくら会社側の顧問弁護士が強かろうと、不合理であったり、パワハラに近いことをされた、長時間拘束され精神的苦痛と受けたなど相手側がやったことに対して「おかしい」と感じたらやはり弁護士に相談するという方法もありです。

PIPはやり方・手順を間違えて、不当な目的や動機が見えてしまう(発言や行動から)ことがあります。
そう言う場合は、初期の段階で抗議しなければいけないので、最初から弁護士を通して話し合うことも必要になるかも知れません。(少なくとも事前相談は必須です)

最初は、無料相談を行っている弁護士も多いのでそういうところで、しかも労働問題に強いを表記している弁護士に依頼した方がいいです。
※医者もそうですが資格を持っていると万能とかそれほど差はないだろう・・と考えがちですが、まったく違います!
はっきり言って相当差があるのが現実です。

無料相談は時間も短いことが多いので、先に要点をまとめておいた方がいいです。

・会社からどういう対応をされたか
・問題と感じとった行動や対応・言動など
・相談したいこと

このように、問題点を洗い出し、自身の意義をしっかりと留保しておくことで、退職推奨がされた時に有利に交渉を進めやすいです。

また証拠としても何らかの弁護士に相談する際に内容をまとめる為にも証拠としても、必ず面談内容は録音しておきべきです。

ちなみに会社側も必ず録音してます。
※当時の人事部長はいつでも持ち出せる様に録音機器を常備していたし、実際に本人から(部長同士だったので)「必ず録音します」ということも聞いてます。
※ちなみに上司やその子飼いの部下などから食事などに急に誘われ、席についた途端すぐに「トイレ」に行ったら録音されている・・と思った方がいいです。
※トイレで「録音ボタン」を押して戻ってきます。(一緒に移動して店に入った場合)
※通常は口を軽くさせるため単なる食事だけではなく「居酒屋など酒を提供する場」へ行くことが多いです。

・精神的に追い込まれない様、体調管理に気を配る。

体調管理は、立派な対処法であり重要なことです。

また、PIPが開始されると精神的に苦痛を受ける人が多く、中では精神科へ通院する人もいます。そのような場合は弁護士と相談してPIPの中止を求めることも可能です。弁護士を通すことで有利な話し合いができます。

また、一番気をつけていただきたいのは、PIP対象となると精神的な苦痛でうつ病や適応障害などのメンタルヘルスが害される状況になることがある点です。

会社なんかの為に、ましてや自分(達)だけは絶対に守りたいという自己中心的な非人間性の相手にメンタルをやられては大損です。

そのため、早期に見切りをつけて、どうせ辞めるならと少しでも上乗せで退職金をもらうのか?

それとも徹底抗戦して戦い抜くのかという方向性を早めに決めておくべきです。

そういう「目標」ができれば若干ですがストレスは軽減できます。

方向性も決まらず、「どうなるのか?」という不安のまま過ごすのは一番精神衛生上も良くないです。
もし、辞めるという方向が決まれば、転職活動するのか?起業するのか?など「目的」も決まり、やるべきことも見えて来ます。

また戦う場合でも、じっと耐えれば組織が代わり助かることもあるかも知れません。

これだけは、どうなるかはわかりませんので、最後は自分で決めねばなりません。

別の記事でも記載した通り、私が実行者にならなくて済んだのは、ベストタイミングで組織が変わり、素晴らしい経営者に恵まれたからですが、その方が退陣してからその後の組織編成で、私が実行者である役職を外れた途端に、後任の役職についた元部下は、すぐにPIPを執行しました。

一度でも実行しようとしている会社は、永遠にやるということです。

私は残ったからいいやではなく、明日は我が身と捉え、自身のスキルは磨いておかねばなりません。

現在私は起業したので、今度は自分自身がリストラをするしないを決定できる立場となりました。当然私も、以前一緒に働き学ばせていただいた、素晴らしい経営者だった方を見習い絶対にPIPの様なリストラはしません
そして人の繋がりを最重視してます。

もちろん経営者であるからこそ、「綺麗ごとを抜かすな」という意見があるのも、やむ無くリストラせざるを得ない会社があるということも承知してます。

ただ経営者だからこそ、それらすべての責任を取れるわけです。

PIPが許せないのは、幹部は自分たちの役職と収入を守るために、現場で懸命に汗水流し働いている人間を切るという点です。

そんなに会社や事業が厳しいなら、まず自分達の報酬を徹底して削ってからが道筋ですが、絶対にそれは行いません。

現場スタッフの何倍もの月収や賞与を獲得していながら、平気で現場を切るのが本当に許せません・・

このコロナ禍の現代であるからこそ、人の繋がりや人を大切にすべきではないでしょうか

この記事が、今お悩みの方への僅かでも救いになれば幸いです。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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SG
多様性の現在、幅広い趣味嗜好のどこかにマッチするべく、役に立つことや知見をひろげることに少しでも貢献できる記事を目指し情報発信してます。 今後ともよろしくお願い致します!