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会社から「業務改善プログラム」(PIP) 対象と言われたらリストラ?対処法はあるの?

一部リストラ推進経営者及び幹部が実験を握っている会社で実施されていた(会社側に)非常に有益な戦術【業務改善プログラム】(PIP)について、一部記事で触れたところ真剣に悩んでいるという方々から反響がありました。

残念ながら、奇しくもこのコロナ禍を利用し、ここぞとばかりに一気に加速している様です。

その為、今回はPIPについて少し解説を加え、その対処方はあるのか?について、実際に実行を指示されその手口(裏側)を知っている立場であった私だからこそ書ける記事を書きます。※以前の記事でも記載しましたが「実行」はしてません。

それではまず、そもそも【業務改善プログラム】PIPとは何か?からスタートしていきます。

【業務改善プログラム】(PIP)とは何か?

業務改善プログラム、通称PIPとは、Performance Improvement Programの略称で、人事考課システムの一つとして近年取り入れられるようになりました。

明確に言えば、PIPは一種の解雇です。しかし責任は企業側ではなく労働者側であると思わせる手口(手法)を使っています。

例えば、解雇対象リストに載っている労働者に、本人の業務改善能力の開発や向上などを目的として面談を行います。そこでは(最初だけ)あくまで「あなたに期待してます」「成長を望んでます」と従業員に寄り添っている姿勢や、真剣に考えているという演出をして面談に持ち込むのがミソとなってます。

簡単に記載すれば
・対象者本人に「具体的な課題改善計画や成長施策を立てさせる。」
(何度も再提出させたりする)
・計画ができたら、その期限を設けます。
通常は短期(長くて3ヶ月位)
・実際は達成困難なもので策定にあんるが、たまたま達成できたら、それで終わりではなく、次は「さらに成長」と次々ハードルを上げていきます。
・当然いつかは壁に当たりできない(未達成)になるので、それを理由に更なる降格や降給、そして本来の目的である解雇などの処遇をとります。

とまあ、こんな流れです。
後で訴えられないように「相互納得」であるとか、「自身で立てた計画(会社に強制されたのではない)」であり、未達成の場合にどういう処遇になるかなどが記載された書面にサインをさせることが多いです。

大方の皆さんはお分かりの様に、評価については、行動評価ならばいくらでも評価者の偏った評価を反映できるし、一見正当にみえる「数値評価」もその気になれば統計トリックを使いいくらでも悪く操作できてしまいます。
結局は評価者次第ということです。

つまりは、会社側が解雇すると決めている労働者に対しては、課題に対して必然的に悪い評価を下して退職を推奨したり、精神的に追い込むので、労働者側は気力を失い会社の赴くままに退職をするケースがほとんどなわけです。

それでは、実際はどういう流れで実行されるのか?その裏側(実行者側)の行動も暴いて、具体的に羅列してみたいと思います。

仕掛けられた側(従業員)とリストラ部隊(経営者・幹部・上長など)に分けて記載します。

PIP従業員側の流れ

1.本人に「課題」たとえば「会社・組織にあなたは何を貢献できるのか?」などについて面談する内容を事前に告知し、その報告の為の個別面談のアポが入る。(具体的な改善計画や立案をさせる。)

2.本人はそれこそ、これの為の時間を貰えるわけではないので通常業務を行いながら、残業なども行い、必死になり計画を立てる。(パワポやエクセルなどの資料作成含む)
※通常は提出期限も短いので、サービス残業や自宅に持ち帰り徹夜したりして作成することも多くなってしまう。

3.資料(報告物・内容)は、面談前に提出を求められる。
※理由は、しっかり中身を把握しておきたいなど

4.本人は真面目に必死にプレゼン報告を行う

5.プレゼン内容はことごとく否定され、さらに厳しい(高いハードル)内容の再提出を命じられ、再面談予定が組まれる。

6.本人が「無理なので辞めます」というか、結果的にかなり厳しいチャレンジ目標に対し、「やります!」と言うまで、何度でもダメ出し、資料作成(事前)再提出指示、面談が繰り返される。
※通常は、面談が繰り返されるほど、どんどん内容が厳しくなる。

PIP実行者側の流れ

1.幹部会にて【PIP(リストラ)対象者】について会議を行う。
※通常は人事部長と営業部長、管理部長などの幹部でも数名で行うことが多い。

2.そこで【リストラランク付け】明確に言えば「辞めさせる対象者」を1位から順にリストラ目標プラスアルファで抽出し表にする。
※どういう手段を使っても辞めさせるAクラスから、辞めてもらえたらありがたいCランクくらいまで区分けしておく

3.この表を元に個別面談計画を練る。

4.特に、絶対に辞めさせるAランクの場合は、事前に提出された課題を元に幹部が首を揃え、「どこに穴があるか?」「どう突っ込むか?」「それに対し、どういう切り返しをしてくるか」「それに誰が何を言うか」まで決めロープレまで行うこともある。
※経営指針や経営戦略をするよりも、こういうことに「幹部がわざわざ時間を割く」

5.面談は「予定通り(ロープレ通り)」に進められ、始終厳しい顔を創り、時間も予定時間を大幅に超えてもそのまま行うこともある。
また、「(この計画内容では)あなたには期待できません」と追い込む言葉を浴びせてくる。

5.初回で落ちなかったら、事前会議を密に繰り返しながら、どうやったら辞める方へ持ち込めるのかを真剣に会議し(時間を割き)何回も繰り返す。
※通常は短期決戦を社長から求められているので、遅くなればなるほど、自分達の賞与に影響するので必死に真剣に行う
時には「資料をつくる為、サービス残業や徹夜したりしていること」を突き、「それは違法!そんな事を命じてない」とか「そうまでしないと資料ができない時点で能力が低い」とか「そこまで時間をかけてこれ!?」という対応をとり追い込む

ざっとこういうことが裏側(幹部側)で行われているわけです。

私も最初この計画を指示された時は吃驚し呆れると同時に、「よくもまあ、これだけ練り込まれたリストラ手法を!」と怒りを感じました。

特に役割分担があり、ロープレ(演じる)ことまでやるというのもしらけました。
また、本人は必死に真剣に考えて来るのに、絶対に肯定してはダメ!徹底的にディベートを行うことも納得できませんでした。

これらのPIPを大規模に実施する場合や、もっと狡猾にする場合は全社員面談という大義名分を立てて、早期退職プログラムとセットで行うことも多いです。

そうなるとこんどは逆に「必ず辞めて欲しくない」対象者の引き留め策が必要です。
※早期退職プログラムに手を上げられては困る訳です。
その対象者の時には、面談内容もほぼ雑談で始終ご機嫌をとり、面談時間ぴったりもしくは早々と終わります。場合よっては昇格や昇給を提示したりします。(天と地の差ですね)
もちろん、再面談はありません。

それでは、実際にPIPを仕掛けられたら・・
対応策はあるのでしょうか?

PIPの対象となった際に対処法はあるのか?

PIPの対象となったときには、どのように対処すれば良いのでしょう。

裏側を知っている人間として明確に言ってしまうと、特に大会社ほど完全に抗うのはかなり困難です。

会社側は資金力にモノを言わせ、労働争議に強い弁護士を顧問として雇ってます。

そのため、弁護士=代理人を立てると待ってましたとばかりに、弁護士同士の話あいにステージを上げ、自分たちはノルマ達成とのんびり構えるだけです。

しかし、だからと言ってそのまま一方的に受け入れる必要はもちろんありません。

もし結果的に受け入れることになったとしても通常より多くの支度金・退職金などの名目金が上乗せされることもあるからです。
※最初のリストラ計画時に「ちゃんと」上乗せで支払う場合の退職金を損金として計画に入れているのがその証拠です。

それでは具体的に述べていきます。

・書面に簡単にサインしない。(内容をしっかりと吟味する)

まずは、冒頭でも説明しましたが、PIPの対象となったときには、会社から課題や評価が記載されている書面にサインを求められます。
サインすることで解雇などの処遇がされても何も言えません。そのため、サインをする場合は書類の内容をしっかりと読み、徹底的に質問をして修正意見を述べるべきです。
その際、先程の内容ですが確認の為ですなどと、メールなど後で見れるように証拠に残る形で残すのがお勧めです。

・状況により弁護士にも相談しておく

会社からの業務命令としてPIPが開始された場合は、会社に従わなければいけないですが、必要性や合理性、違法性、相当性についてはしっかりと確認しなければなりません。

そしていくら顧問弁護士が強かろうと、不合理であったり、パワハラに近いことをされた、長時間拘束され精神的苦痛と受けたなど相手側がやったことに対して「おかしい」と感じたらやはり弁護士に相談するという方法もありです。

PIPはやり方・手順を間違えて、不当な目的や動機が見えてしまう(発言や行動から)ことがあります。
そう言う場合は、初期の段階で抗議しなければいけないので、最初から弁護士を通して話し合うことも必要になるかも知れません。(少なくとも事前相談は必須です)

最初は、無料相談を行っている弁護士も多いのでそういうところで、しかも労働問題に強いを表記している弁護士に依頼した方がいいです。
※医者もそうですが資格を持っていると万能とかそれほど差はないだろう・・と考えがちですが、まったく違います!
はっきり言って相当差があるのが現実です。

無料相談は時間も短いことが多いので、先に要点をまとめておいた方がいいです。

・会社からどういう対応をされたか
・問題と感じとった行動や対応・言動など
・相談したいこと

このように、問題点を洗い出し、自身の意義をしっかりと留保しておくことで、退職推奨がされた時に有利に交渉を進めやすいです。

また証拠としても何らかの弁護士に相談する際に内容をまとめる為にも証拠としても、必ず面談内容は録音しておきべきです。

ちなみに会社側も必ず録音してます。
※当時の人事部長はいつでも持ち出せる様に録音機器を常備していたし、実際に本人から(部長同士だったので)「必ず録音します」ということも聞いてます。

・精神的に追い込まれない様、体調管理に気を配る。

これも立派な対処法であり、重要なことです。

また、PIPが開始されると精神的に苦痛を受ける人が多く、中では精神科へ通院する人もいます。そのような場合は弁護士と相談してPIPの中止を求めることも可能です。弁護士を通すことで有利な話し合いができます。

また、一番気をつけていただきたいのは、PIP対象となると精神的な苦痛でうつ病や適応障害などのメンタルヘルスが害される状況になることがある点です。

会社なんかの為に、ましてや自分(達)だけは絶対に守りたいという自己中心的な非人間性の相手にメンタルをやられては大損です。

そのため、早期に見切りをつけて、どうせ辞めるならと少しでも上乗せで退職金をもらうのか?

それとも徹底抗戦して戦い抜くのかという方向性を早めに決めておいた方がいいです。

そういう「目標」ができれば若干ですがストレスは軽減できます。

方向性も決まらず、「どうなるのか?」という不安のまま過ごすのは良くないです。
もし、辞めるという方向が決まれば、転職活動するのか?起業するのか?など「目的」も決まり、やるべきことも見えて来ます。

また戦う場合でも、じっと耐えれば組織が代わり助かることもあるかも知れません。

これだけは、どうなるかはわかりませんので、最後は自分で決めねばなりません。

別の記事でも記載した通り、私が実行者にならなくて済んだのは、素晴らしい経営者に恵まれたからですが、その方が退陣し、奇しくも実行者である役職を外れた途端に、またすぐにPIPを執行しました。

つまり一度でも実行したりしようとしている会社は、永遠にやるということです。

私は残ったからいいやではなく、明日は我が身と捉え、自身のスキルは磨いておかねばなりません。

現在私は起業したので、今度は自分自身がリストラをするしないを決定できる立場となりました。当然私も、以前一緒に働き学ばせていただいた、素晴らしい経営者だったある方を見習い絶対にPIPの様なリストラはしません
そして人の繋がりを最重視してます。

もちろん経営者であるからこそ、「綺麗ごとを抜かすな」という意見があるのも、やむ無くリストラせざるを得ない・・ということがあるのも承知してます。

ただ経営者だからこそ自身で責任を取れるわけです。

PIPの許せないのは、「幹部が完全に守られた冷暖房付きで豪華な食事をしている中」、現場で懸命に汗水流し働いている人間を切るという点です。

そんなに会社や事業が厳しいなら、まず自分達の報酬を徹底して削ってから!が道筋です。
しかし、実際にそんなことなく、現場スタッフの何倍もの月収や賞与をもらっていながら、平気で現場を切るのが許せないという意味です。

このコロナ禍の現代であるからこそ、人の繋がりや人を大切にすべきではないでしょうか

この記事が、今お悩みの方への僅かでも救いになれば幸いです。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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SG
多様性の現在、幅広い趣味嗜好のどこかにマッチするべく、役に立つことや知見をひろげることに少しでも貢献できる記事を目指し情報発信してます。 今後ともよろしくお願い致します!