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カルロスゴーン|レバノン出国に海外の反応は?仏メディアでトップに

 

元日産会長のカルロス・ゴーン氏が、保釈中の身でありながら日本を出国し、レバノンにいると発表し、大きな波紋を呼んでいます。

「なぜ出国できたのか」「レバノンに引き渡しを要求できないのか」など困惑とともにさまざまな声が上がっていますが、このニュースは海外でも大きな話題になっています。カルロス・ゴーン氏が国籍をもち、「ルノー=日産」のアライアンスで関係も深いフランスを中心に、その反応を見てみたいと思います。

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ベイルートでの記者会見、仏TV・ラジオではライブ中継

追記:2020年1月8日

2020年1月8日、レバノンのベイルートで、カルロス・ゴーン氏による記者会見が行われています。

レバノンへの出国が明らかになって以来、フランスでは連日トップニュースで、カルロス・ゴーン氏の動向や日本の司法やメディアでの報道などが事細かに報道されています。

今回の記者会見も、ニュース専門チャンネルBFM-TV、国営ラジオのFrance Infoなどが生中継で会見すべてをCMなしで放送。新聞各紙のオンラインメディアでもライブで情報更新して伝えています。


フランスBFM-TVツイッター
カルロス・ゴーン「弁護士たちは私に、公判まで5年間日本にいることになる、と言った」

カルロス・ゴーン|レバノン出国で海外の反応は?仏の各メディアでトップニュースに

フランス Le Monde ル・モンド紙

Le Monde 電子版より引用

 

フランスの新聞「ル・モンド」は31日朝からトップニュースの扱いです。「一年以上にわたる訴追に、カルロス・ゴーン氏は自らを護るために日本を出国」との見出しで、おそらくレバノンで妻のキャロルさんと再会を果たし、数人のガードがついたアパートメントに滞在。近いうちに日本での不当な拘留などに抗議を表明するため記者会見を行うと話していると報じています。

この逃避行は「ジェームスボンドの尊厳」と名づけられたミッションで、プライベートジェットでトルコからレバノンに入ったとも書いています。

また日本のNHKからの情報として、ゴーン氏が偽造された旅券で出国した可能性、出入国管理の情報では「カルロス・ゴーン」の名前で出国された形跡はない、など正式に出国したものではないことも伝えています。

【1月2日追記】

Le Monde 電子版より引用

 

ル・モンド紙はさらに1日の記事で、日本での批判と、検察や警察による捜査が始まったことについての記事を掲載。彼のレバノンへの出国を「卑劣な行為」とした読売新聞の記事や、カルロス・ゴーン氏の逃亡が「日本の司法制度に対する冒涜」にあたるとする東京新聞の報道について触れています。

フランス Le Figaro ル・フィガロ紙

「ル・モンド」紙とならぶ主要紙「ル・フィガロ」でも、ストライキの情報よりも先にトップニュースとしてカルロス・ゴーン氏レバノン出国の話題を取り上げています。

Le Figaro 電子版より引用

 

ル・フィガロ紙は見出しで「カルロス・ゴーン日本を出国し、レバノンで保護先を見つける」と伝え、彼が日曜日夜にレバノンのベイルート空港に到着したことを新聞社でも独自のルートで確認。日本でも報じられている通り、彼が逃亡の意図、裁判から逃れる意図はないこと、不当な日本での扱いについて記者会見を通じて告発したいなどの内容を報じています。

レバノンの新聞は、ゴーン氏がトルコから飛行機でベイルート入りしたとも伝えていて、こうした動きが日本とレバノン、さらにフランスとの関係に影響するとル・フィガロ紙はコメントしています。

米 ウォールストリートジャーナル紙

ウォールストリートジャーナル電子版より引用

 

米国のウォールストリートジャーナル紙は、カルロス・ゴーン氏が乗ったと思われるビジネスジェット機が12月29日の午後11時すぎに関西空港からトルコのイスタンブールに向けて離陸していたと報じています。

ゴーン氏は、トルコのイスタンブールからレバノンに入ったことが確認されており、この情報が確かであれば日本からトルコへの経路が確認されたことになります。

ゴーン氏のこれからの動きを世界が注視

以上、フランスでもトップニュースとなっている「カルロス・ゴーン氏レバノン出国」の情報についてお伝えしました。

今のところレバノン政府も公式な反応はないようです。ル・フィガロ紙の記事の中でも政府当局者の声として「ゴーン氏がどのように日本を離れたのかわからない」とコメントしていて、現在、レバノン側でも情報を収集中とみられます。

日本とレバノンのあいだには犯罪者の引き渡しに関する取り決めがなく、今後はカルロス・ゴーンを英雄視する国民の多いレバノンで、政府がどう対応するかが焦点になりそうです。