フランス・パリのローラン・ギャロス競技場で開催中のテニス全仏オープン2019。
6月2日日曜日には錦織圭選手とフランスのブノワ・ペール選手の試合が行われましたが「日没サスペンデッド」で試合が中断となりました。
この「日没サスペンデッド」って何?
とネット上で話題になっています。
これは全仏オープンならではの開催条件が原因になっているのですが、いったいどういう状況で、試合にどういった影響があるのか、調査してみました!
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全仏オープンの「日没サスペンデッド」って何?
「日没サスペンデッド」・・・「サスペンデッド」は英語の「suspended 中断された」から来ていて、文字通り、日没によって試合が中断されることを意味します。
Paire vs Nishikori has been suspended due to darkness.
🎾 https://t.co/WolDfPLij4#RG19 pic.twitter.com/1ETbAZgLyz
— Roland-Garros (@rolandgarros) 2019年6月2日
テニスのほか、ゴルフなどでも使われることがあります。
「日没サスペンデッド」日本語ではなにやら独特の響きがあって、音楽のタイトルに使っているグループもありますが、英語では上記のように普通に「suspended due to darkness 日没による中断」などと書かれ、特別な単語はありません。
では「日没サスペンデッド」はどうして起きるのでしょうか。
ポイントは3つあります。
●現在フランスは夏時間で、かつ陽がとても長い
●ローラン・ギャロス競技場にはナイター設備がない
●同じコートで最大4試合が設定される
ひとつずつ見ていきましょう!
サマータイム(夏時間)&陽の長いパリ
全仏オープンが開催されているフランス・パリは、いまサマータイム(夏時間)です。しかもパリは日本付近でいうとロシアの樺太やウランバートルと同じくらいの緯度の高さで、6月のこの時期は太陽の出ている時間がとても長くなります。
6月2日のパリの日没は21:45。
これが6月21日の夏至の頃には、日没が21:56くらいまで延びます。
夜20時くらいはまだ午後のような明るい陽射し。
北極圏のような白夜(びゃくや=陽が沈まない夜)にはなりませんが、日没が夏至近くでも19時頃の日本と比べるとかなりの違いです。
ナイター設備のないローラン・ギャロス
この日の長さを利用して、全仏オープンは夜まで開催されますが、ローラン・ギャロス競技場にはナイター設備がありません。そこで、日没前になると主催者が判断して試合を終了し、翌日に順延ということになります。
日の長いパリは朝5:45頃には日の出を迎えますが、大会が夜遅くまで開催されるため、朝の試合が始まるのも遅く、いちばん早い試合でも開始時刻は「11:00」に設定されています。
同じコートで4試合ほどを予定=時間が押す
日程上、場合によっては同じコートで1日4試合が設定されることもあり、試合が長くなればそのぶんそのあとの試合の開始時刻は遅くなります。
(1試合が短いジュニアの試合などは5試合ほど組まれることも)
2日の錦織選手vsペール選手の試合は、当初16:40頃を予定していましたが、その前の別の男子シングル4回戦の試合が試合時間5時間9分と非常に長引き、結局、錦織選手の試合が始まったのは現地時間の19:33頃でした。
開始から約2時間後の21:36頃、3セット目が終わったところでゲームは日没を迎えて暗くなってきたため日没サスペンデッド=中断に。
6月3日月曜日の12:00(日本時間の19:00)に再開ということになりました。
6月3日月曜日への順延で天気はどうなる?
6月3日月曜日、錦織選手とペール選手の試合のつづきは、2日と同じくローラン・ギャロスの「Suzanne-Lenglen スザンヌ・ランラン」コート(Aコートとも呼ばれます)で現地時間の12:00頃に再開の予定です。
これに先だって、同じコートでは女子シングルスの試合が11:00から開始します。
この試合が長引くと、12:00の第2試合の時間は遅くなる可能性があります。
そして、心配なのは天気!
6月2日のパリは、朝から夜までほぼ快晴の天気で、最高気温は32℃まで上がりましたが、月曜日は天気の変わり目。いまのところ、午前中に少し雨の降る予報が出ています。
また気温は急激に下がり、明日現地で昼頃の気温は19℃くらいの予想。
第3セットまでで、セットカウント2-1と順調に進めてきた錦織選手に、こういった状況の変化がどう影響するか気になるところですね。
まとめ 日没サスペンデッドで試合の行方は?
全仏オープンで熱闘を繰り広げる錦織選手の2日の試合「日没サスペンデッド」について簡単にご紹介してきましたがいかがでしたでしょうか。
「日没サスペンデッド」は、日没によって試合が中断されて、翌日に順延再開されること。全仏オープンを開催するパリのローラン・ギャロス競技場はナイター試合をする設備がないため、日没を迎えるころには試合が続行できなくなって、こういうことが起きるのでした。
フランスの新聞「ル・モンド紙」は
La nuit va-t-elle porter conseil au Bleu pour l’aider à inverser la tendance ?
(ペール選手にとって悪い)傾向を逆転するための知恵を、この夜はくれるだろうか。
と、この「日没サスペンデッド」が状況を変えてくれるよう望む言葉を記事に寄せています。(「Bleu」と書いてあるのは「bleu=フランス人選手の総称」つまりこの場合はペール選手のことです。)
一晩の中断と明日のぐずつき気味の天気が、この試合の行方をどう変えるか、気になるところですね。もしこの試合に錦織選手が勝てば、ベスト8に進出。すでに4回戦で勝利を決めている世界ランキング2位のナダル選手と対戦することになります。
ぜひその試合も見たい!今から祈りをささげましょう!
最後までご覧いただきありがとうございました!