ここパリには、世界中から料理人やお菓子職人さんがやってきます。
なかでも日本人で、その腕を磨く、あるいは試すためにパリへと渡ってくる人は多く、そこで着実に力をつけていく人が少なからずいます。
皆さんもTVなどで紹介されているのを見たことがあるかもしれません。
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パリで日本人シェフが活躍できるのはなぜ?
その活躍の原動力はまず第一には、彼らの
味に対する感性、
手先の器用さ、
真面目さ、
そして我慢強さ
ではないでしょうか。
フランス人は独創的な発想や美的感覚といった分野では、日本人にはなかなか真似できないところもあります。しかし、日本人の得意とする細かさや真面目さの部分では、若干ニガテな人が多いような印象もうけます。
でもそこに日本人の料理人が助手についたりすると、両方のもつ独創性と細やかさが掛け算されて、最強のスタイルになるわけです。
日本人シェフの多くが、フランスの有名レストランの料理人に始まり、「スーシェフ」と呼ばれるセカンドになり、そして最終的に、その実力と経歴で自分のレストランをもつ!という道を歩んでいます。
そんなレストランはどうしてもお高くなりがちですが、ときどき庶民にも手が届く値段で、しかも味はとびっきり!の日本人シェフレストランに出会うことができます。
そのひとつが、今日ご紹介する「Aux Plumes(オ・プリュム)」
そこは、料理界の若き才能が集まる
14区のダンフェール・ロシュローエリア。
Aux Plumesがあるのは、Denfert Rochereau ダンフェール・ロシュロー駅周辺に広がるエリア。庶民的な商店街と住宅街が混じり合う、パリらしい街。
もともとパリ北部のモンマルトル地区のレストラン Chamarré Montmartreで、
フランス人オーナーのもとシェフとして仕事をしていたカズさんこと藤枝和洋さんが独立。オーナーシェフとしての第一歩を記しました。
「内気」と自分で語るだけに、メディアにどんどん出ていくタイプではありませんが、雑誌などのグルメレポートでは高評価が続々。
まだ「星」こそつきませんが、
Michelin ミシュラン
Gault & Millau ゴーミヨ
といったフランスの有名レストランガイドでも有望視されています。
パリ市内とっておきの肉屋、魚屋、そしてマルシェの野菜を仕入れ、和気あいあいとした雰囲気の中で楽しめる料理をつくる。
シンプルな感じなのに、繊細な味わいがたまりません!
かわいい植木鉢のようなアミューズ・ブッシュ(つきだし)は、野菜のカクテル。
前菜に選んだのは、ロール・キャベツをロールでなくサンドイッチ状にしたもの。
素材の野菜がひとつひとつ美味しい。そこに肉の旨みが加わり、さらに味わい深く。
そしてメインは、鴨肉の野菜添え。
お肉の柔らかさ、味わい、お料理の塩加減が日本人には丁度いい。
デザートは、絶品レモンのシャーベットですが、
その日が誕生日だった筆者のために、素敵なデコレーションを!
アシスタントのパティシエ(お菓子職人)さんも相当な腕前です。
ほんとうの意味での「贅沢」を味わうならここ。
このアミューズ・ブッシュからデザートまですべて入って、なんとお値段38ユーロ!
いま日本円にしたら約4,750円です。(1ユーロ=125円で計算)
普通のビストロに入ってもひと皿20ユーロはするパリのレストラン相場。この価格でこの美味しさが楽しめるなら、一週間に一回くらい行きたくなりそう。
そして何よりこのレストランの良さは、料理に対するシェフの愛情や、家庭に招かれたような温かな雰囲気。
高級料理店の贅沢な雰囲気やブランド品のようなワインを飲むのもいいですが、日常の素敵な時間を大切な人と過ごすには、こういう場所で心おきなく食を味わいたい!
そんなパリのちょっと贅沢な日常を愉しむレストランといえるでしょう。
正直にいうとあまり知られたくないのですが・・・(笑)
住所はこちら!
<Information>
Aux plumes オ・プリュム
45 Rue Boulard
75014 Paris (メトロ4号線 Mouton-Duvernet駅から徒歩)
https://www.auxplumes.com/