あれ?こんなとこに「ホクロ」なんかなかったのに・・・
ということはありませんか?
人間は、日々細胞が入れ替わっているので、いままで無かったところにホクロができることはあります。
しかし、なかには放置していたら危険なホクロがあり、気になっても絶対にしてはいけないこともあります。
ほとんどのホクロは、問題のないものですが、気になる場合は、素人判断せずに、専門のお医者さんに見てもらったほうがいいです。
でも、そこまでじゃ・・と迷っていて放置している方の方が多いみたいなので、どのような場合は注意が必要なのか?
やっては行けないこととは何なのか?についてまとめてみましたので参考にしてください。
Contents
ホクロはなぜできる?
ホクロには『元』となる細胞があります。
それは『母斑細胞』と呼ばれていて、この母斑細胞が集まって腫瘍になったものが「ホクロ」で、通常は直径5mm以下のものです。
腫瘍!?というとビックリするかもしれませんが、もちろん安全な良性腫瘍です。
母斑細胞は、メラニンを持っているので黒や褐色に見えているわけです。
皆さんが気にするのは、いままで無かったのに、ホクロができるからで、これは『元々』母斑細胞があり、それが(諸悪の根源)紫外線に刺激されて、急成長したり、色が濃くなってしまったものが「急にできた」ホクロの正体です。
※もちろんこれだけではなくて、紫外線の刺激は現在解明されている要因の一つです。他の要因はまだ解明されていません。
また、ある程度遺伝的な要因もあって、ホクロのできやすい方とそうでない方がわかれるみたいです。
注意すべきホクロとは?
ほとんどのホクロは『良性腫瘍』ということは、先に述べましたが、なかには「悪性」のものもあります。
それは『メラノーマ』と呼ばれている悪性腫瘍のことで、日本では『悪性黒色腫』ともいいます。このメラノーマの怖いとこは『転移しやすい』がんの代表だからです。
ホクロの箇所だけでなく、全身に転移すると、治療が大変なので早期発見と治療が重要になって来ます。
その特徴と気をつけるべきことを正確な情報としてお伝えするために、【公益社団法人 日本皮膚科学会】の「メラノーマ(ほくろのがん)Q&A」から引用させていただきます。
(改行及び参照図表記のみ削除してます)
メラノーマとはどんな皮膚がんですか?
メラノーマとは、悪性黒色腫と呼ばれ、皮膚のメラニンという色素を作る色素細胞(メラノサイト)ががん化した腫瘍と考えられています。
通常、がん細胞がメラニン色素を多量に産生している場合が多く、そのため黒色を呈することが多いため、黒色腫と呼ばれますが、メラニン色素の産生程度により、褐色~茶色などを呈するものも存在し、きわめてまれにメラニンをほとんど産生しないメラノーマがあり、常色~淡紅色を呈することもあります。
メラノーマは、できやすい部位や形態などにより主に次の4つのタイプに分けられています。
足のうらや手のひら、手足の爪部(正確には爪下部)などに発生しやすく、全体の約30%の発生があり、日本人に最も多いタイプです。(末端黒子型という)
胸・腹・背中など体の中心部や手足の付け根に近い部位に発生しやすく、白色人種や日本人でも肌の色が白い人に発生が多いタイプです。(表在拡大型という)
とくに部位は関係なく、結節のようながん細胞の塊がだんだん大きくなってくるタイプです。結節のまわりには通常、色素斑(染み出し)がみられません。(結節型という)
おもに高齢者の顔面に発生しやすく、不規則な形の色素斑(しみ)が徐々に拡大してくるタイプです。時間がたてば色素斑の中央に結節が生じてきます。(悪性黒子型という)
どんなほくろやしみに気をつけたらいいのですか?
1年に1回は全身の皮膚のほくろやしみをチェックしてください。
自分で見えない頭髪部や背中はご家族にみてもらいましょう。
つぎにあげる4つのポイントについてチェックしてください。
2つ以上あてはまるようなら、お近くの皮膚科専門医を一度受診したほうがいいと思います。
そこで、多少なりとも悪性の疑いが指摘されたなら、がん専門病院や大学病院を紹介してもらいましょう。
- しみ・ほくろの形が左右対称性でない
- しみ・ほくろのまわりがギザギザしている
- しみ・ほくろの色が均一でなく、濃淡が混じっている
- しみ・ほくろの直径が6mm以上ある
ほくろの平均は約5mmなので、6mm以上のものや「いびつな形」、濃淡があるなどが要注意です。
やってはいけないこと
気になるからと、絶対に自分でホクロを除去しようとしたり、ナイフなどで傷をつけてはダメです。
ホクロを除去したい場合は、必ず病院で医師に任せてください。
ホクロを傷つけると、その刺激で悪性になることがあり得ると言われてるからです。
中年以上の方なら『巨人の星』の主人公、星飛雄馬の恋人であった『日高美奈』のことを覚えているのではないでしょうか?
日高美奈は、高校生の時に『爪に黒いもの』を見つけて、トゲが刺さったと勘違いして、それを抜こうと針で突いてしまいました。
しかし、その黒いものの正体が『メラノーマ』で、針で突いて刺激したことによって全身に転移してしまい、余命いくばくもない・・ということになってしまった。
という悲恋のストーリーでした。
子供時代にそれをみたので、「怖い・・」と、メラノーマが記憶に焼き付けられています。
なので、何年もまえですが、足の裏(少し横)にホクロができた時に、素人判断はせずすぐに病院で診てもらったりするなど、啓蒙にも役だつ話だったと思います。(もちろん良性だったので、今こうして無事に記事を書いてます。)
治療法は?
メラノーマの怖いところは、全身に転移しやすいとこへ加え、完全に有効な治療法はまだないというところです。
全身に転移してしまうと、外科的治療はできないので、放射線か抗癌剤の投与などの化学療法という選択肢になるのですが、現時点抗癌剤も放射線もあまり有効でないとのことです。
先進医療である特殊な放射線治療、『重粒子線や陽子線』は、効果がみられるようですが、設備がある病院はかなり限られ、費用も莫大にかかります・・
なので早期に発見し、切除するのが、最大有効な治療となるわけです。
最新情報
メラノーマの早期発見方法として、遺伝子変異を分析する新手法』によって、メラノーマが目視できる前の段階でわかるようになる可能性が出てきました。
それが実現すれば、発症リスクを予測できるので、転移する前などの早期治療につなげることができます。
これは、アメリカ カリフォルニア大学サンフランシスコ校 皮膚科学准教授のA. Hunter Shain氏による研究です。
まだ研究段階ですが、是非実現して欲しいですね。
皆さんも、気になる場合は、放置せず専門医を受診するようにしてください。
健康で長生き!
お互いに気をつけましょう。