天皇陛下の即位を公式に告げる令和元年(2019年)10月22日の「即位礼正殿の儀」にあわせて、「恩赦」が行われます。
「恩赦」というのはわかりやすく言えば、こうした国王や天皇の即位などのお祝いごとにあわせて、犯した罪を減ずること。今回の場合、約55万人の対象者になるとされています。
「えっ、なんで!?」と思った方も多いかもしれませんが、昭和になるときも、平成になるときも行われてきました。
ではこの「恩赦」とは何か。そして今回はどのように行われるのか。調べてみました!
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天皇陛下のご即位にあわせた「恩赦」って何?
まずは「恩赦」の意味についてご紹介しましょう。
恩赦の辞書的な意味は?
確定した刑の全部または一部を消滅させること。内閣が決定し、天皇の認証により行う。大赦・特赦・減刑と刑の執行の免除および復権の五種がある。奈良・平安時代には、天皇の権限で慶事や凶事に際して行われた。
「三省堂大辞林」より
憲法にも恩赦についての規定がある?
実は「恩赦」に関しては日本国憲法でも規定があります。関係する条文は2つで、ひとつは「天皇の国事行為」について、そして「内閣の事務」です。
日本国憲法第七条
天皇は、内閣の助言と承認により、国民のために、左の国事に関する行為を行ふ。
第六号
大赦、特赦、減刑、刑の執行の免除及び復権を認証すること。
日本国憲法第七十三条
内閣は、他の一般行政事務の外、左の事務を行ふ。
第七号 大赦、特赦、減刑、刑の執行の免除及び復権を決定すること。
つまり、内閣がその具体的な内容を決めたうえで、天皇陛下の国事行為としてそれを行う、ということになります。
今回の恩赦は「政令恩赦」
この憲法にのっとって、昭和22年に制定された「恩赦法」というものがあり、「恩赦」はこれにあわせて内閣の閣議によって決定されます。
個別で恩赦が行われる場合もありますが、今回の場合は、天皇陛下の即位というお祝い事にあわせて行われる「政令恩赦」と呼ばれるもので、恩赦になる罪や刑の種類を定めて、該当するものを「一律で」行うことになります。
戦後では、第二次大戦終戦時、日本国憲法発布時、皇太子立太子礼、国連加盟、昭和天皇の大喪の礼、現上皇の即位礼正殿の儀、皇太子(今上天皇)成婚の際などに行われました。
今回の恩赦で対象になるのはどんな人?どんな罪?
では令和元年10月22日の「即位礼正殿の儀」にあわせた恩赦はどういったものになるのでしょうか。
10月18日に閣議決定した内容によると、今回の「恩赦」は上記の5つの種類のうち「復権」にあたる内容のみで、約55万人が対象になると発表されました。
1989年の昭和天皇の大喪の礼の時には約1017万人、翌1990年に行われた現在の上皇さまの即位礼正殿の儀では約250万人が対象になったので、それと比較すると対象者はだいぶ抑えられています。
対象になるのは?
過去に比較的軽微な交通違反などによって罰金刑を受け、すでに罰金を納付して3年以上が経過している者、つまり2016年10月21日までに罰金を納めた約55万人
恩赦の内容は?
罰金刑を受けると、原則として「医師」「看護師」など国家資格を取得する権利が5年間制限されますが、これを「恩赦」によって「復権」し、権利が取り戻されます。
恩赦を受けるのは誰?
約55万人の対象者のうち
●約8割が道路交通法や自動車運転処罰法などの違反者。
●公職選挙法違反による罰金納付から3年が経過した約430人の公民権も回復
天皇陛下即位に関する恩赦で各界の反応は?
今回約55万人が対象になる予定の「恩赦」ですが、さまざまな反応が上がっています。
刑罰は刑罰でまっとうすべきという意見
⬜️ 恩赦55万人、18日閣議決定へhttps://t.co/h5jszbs8gR
「犯罪被害者の心情に配慮し、比較的限定した」としているけど、どんな小さな犯罪であれ判決で下された刑罰は全うすべきと思うし、被害者の心情に配慮というのなら、恩赦の必要性自体を考えるべきと思う。
— フィフィ (@FIFI_Egypt) October 18, 2019
今回の対象者は罰金刑なので、被害者のいない罪かと思います。
恩赦は時代遅れ。何か別のことをという意見
恩赦55万人、18日閣議決定へ 平成への代替わりに比べ抑制的 – 毎日新聞
➡︎どうせ恩赦的なものをやるなら、金はかかるが奨学金の免除をやるべき。これくらいのことは政治の意思でできる。今の恩赦は時代遅れ。 https://t.co/6fs6wV45PW— 橋下徹 (@hashimoto_lo) October 16, 2019
本人も言っている通り、奨学金はお金のかかることですし、別次元の話のような気がします。
まじめに国に尽くす人たちがメリットを受けるならいいが、という意見
即位の礼で恩赦55万人…
松井代表「時代に合わないと思う。陛下が即位されることによって、まじめに国に尽くす人たちがメリットを受けるのはアリだが、罪を犯した人に特典がつくのは違うと思う。長年の慣習、風習なのだろうが、必要があるかは疑問」〜囲み会見 pic.twitter.com/v3KZ74Y46T— news北東西南 (@news_ewsn) October 16, 2019
公職選挙法違反者も含まれるのはなぜ?という意見
即位恩赦55万人に決定 罰金刑で停止資格「復権」大半:朝日新聞デジタル https://t.co/03JfK0wzNu #令和 #令和・
選挙違反など公職選挙法違反事件も対象者に含まれる。
え。。。
— 毬谷友子 (@mariyatomoko) October 18, 2019
今の時代、天皇からの「恩寵の民権」の時代じゃあるまいし実益受けるのはほとんど与野党の公職選挙法違反で資格停止受けた支援者ばかりで恩赦に意味あるのか。
即位恩赦55万人に決定 罰金刑で停止資格「復権」大半:朝日新聞デジタル https://t.co/uFn45Rnrzj— アーサー・ペンドラゴン (@excaliburchalic) October 18, 2019
様々な意見や考えがあります。
歴史として流れてきた重みとその背景
これらも鑑みながら、意見交換はしていく必要性はあるとは思いました。
最後まで、ご覧いただきありがとうございました。