ヌートリアを知っていますか?
恐竜か何かの名前みたいですが、今この時代に現存する動物の名前です。もともとは南アメリカの原産の外来種ですが、日本にも生息していて「侵略的外来生物」つまり、繁殖すると日本固有種に被害をおよぼす可能性がある動物として指定されています。
ヌートリアはどんな動物なのか、そして日本ではどこにいるのか。
『ヌートリア(沼狸)はどこにいる?京都鴨川など生息地(県)を調査!
』と題して、各地で発見されているこのヌートリアの生息地について調べましたのでご紹介したいと思います。
Contents
ヌートリアはこんな動物!
ヌートリアについて、そのプロフィールを最初にご紹介しましょう。
ヌートリアの画像
【堤防も決壊、大型ネズミ・ヌートリアの脅威】
各地で深刻な農作物被害が報告されているほか、ため池や水路も決壊させる厄介者のヌートリア。生態系に影響を及ぼす恐れのある環境省の特定外来生物に指定。一斉駆除に着手したこともあったが、生息数はわずか半年で元に戻ったhttps://t.co/TgLTVa0A2Z pic.twitter.com/icpIYnmb6s— 産経ニュース (@Sankei_news) July 25, 2019
#ビーバーかな
いいえ、ヌートリアです。
ネズミ目です。 pic.twitter.com/vG5oOI6dAJ— あとらんてぃす連絡船 (@cmchibitora) July 26, 2019
ビーバーみたいにかわいい顔をしています。
ヌートリアのプロフィールは?
原産地:南アメリカ
体長:身体が40-60cm、尾が30-45cm
体重:5〜9kg
分類:哺乳類(ネズミ目)ヤマアラシやテンジクネズミと同じ種類に属します。
丈夫で育てやすく繁殖力も高く、しかも上質な毛皮が手に入るとあって、第二次世界大戦頃に防寒用飛行服の裏地にと、世界各国で飼育されました。
日本に来たのは1939年頃。フランスから輸入され、大日本帝国陸軍が飼育をすすめたこともあって、太平洋戦争末期までに全国で4万頭ほどが飼育されていたそうです。
それが戦後になって野外に放たれ、野生化したといわれています。
ヌートリア(沼狸)はどこにいる?西日本が中心
ではこのヌートリアはいまどこに分布しているのでしょうか。
もっとも多く分布しているのは、東海から西の西日本各地です。
国立環境研究所によると、県別では次のようになっています。
<国内の移入分布>
岐阜県、静岡県、愛知県、三重県、京都府、(奈良県)、大阪府、兵庫県、岡山県、島根県、鳥取県、山口県、香川県
※奈良県は国立環境研究所のリストには入っていませんが、生息が確認されています。
また他に、茨城県、千葉県、埼玉県、神奈川県、石川県、福岡県で発見された記録がありますが、継続的に生存していた情報は今のところないそうです。
<具体的な発見情報>
●京都府京都市・鴨川(多くの発見情報)
●岐阜県・可児川
●奈良県王寺・大和川
●愛知県・鹿乗川
●静岡県浜松市・伊場遺跡公園付近
現在確認・更新中です。
ヌートリア(沼狸)はどんな被害をもたらすの?
ヌートリアは日本では「侵略的外来種」とされています。具体的な被害としては、
主な被害
●稲や大麦、その他葉野菜を食べる
●絶滅危惧種に指定されるベッコウトンボほか、日本固有種の生息地を壊滅させる
●巣穴が堤防やあぜに張りめぐらされ、場合によっては決壊の危険が出てくる
●人間が噛まれるケースも過去にあり、感染症などの恐れもある
人間と同じ哺乳類ですが、年に2~3回出産が可能で、環境の良いところでは爆発的に繁殖するとされています。
かわいい顔をしていますが、あまり増えると人間社会との軋轢(あつれき)が生まれてしまうということのようです。
おわりに
以上、『ヌートリア(沼狸)はどこにいる?京都鴨川など生息地(県)を調査!』と題して、侵略的外来生物に指定されているねずみの一種・ヌートリアについて、彼らが住んでいる生息地域を調べてみました。
全国に広がっている生息地ですが、現在のところは主に関西圏に多いようです。特に京都の鴨川では、都市の中を流れる自然豊かな川ということで居心地がいいのか、かなり多く発見されています。
見た目がかわいいのでつい害はなさそうに感じてしまいますが、繁殖力が強く、在来の植物や動物、周辺の農作物に影響を及ぼすほか、土手などの土の中に巣穴を掘っていくため、土手の地盤が弱くなるなど、さまざまな問題を引き起こします。
これからどのように対策を取っていくのか、自治体や国などの判断が待たれますが、少なくとも一般の市民としてはまず「餌を絶対にやらないこと」これにつきると思います。
人間の身勝手さから日本に来てしまったわけですが、大きな問題にならないことを期待したいですね。
最後までご覧いただきありがとうございました!