日記

「美術館」の名を冠した、絶品牛肉ワイン煮込みのレストラン

おいしいレストラン、というのはそこそこ存在するわけですが、「絶品」と呼べるとなるとなかなか貴重な存在です。

先日はその「絶品」に、しかも偶然出会うことができたので、思い切ってご紹介したいと思います。

 

Contents

パリの素敵な顔がいっぱいつまった「マレ」地区に

 

場所は、パリのマレ地区。かつて貴族の館がおかれたり、ユダヤ人居住地があったりと古い街並みを残しながら、かたやトレンドの先端をゆくセレクトショップブランド店現代アートのギャラリーが軒を連ねていたりと、要するにパリのイケてる地区。

時代を遡ること約400年。1612年、というと日本では宮本武蔵と佐々木小次郎が巌流島で決闘したとされる年。この頃、フランスではアンリ4世という王様がパリを美しい街にしようとこのマレ地区に「ヴォージュ広場」を創りました。

赤いレンガ色の建物が広場の四方を囲み、その整形の広場には美しい木々の緑が都市のオアシスを描く景色。何回来ても惚れ惚れとしてしまう、そして初夏は新緑、秋は黄葉と、季節ごとに美しいのも特徴です。

このあたりは、パリの先端をゆく街というだけあって食の激戦地区でもあり、それぞれのレストランがインテリアやメニューに工夫を凝らしています。

 

忘れられない味に出会うしあわせ

 

さて、その「食の激戦地区」にあっても生き残っていくための術。それはやはり味の良さに尽きるでしょう。しかも冒頭に書いたように、ただ美味しいだけではなく、飛び抜けた何かをもっていること。

ここマレ地区でもいくつかそうしたレストランがありますが、先日行ったばかりの「カフェ・デ・ミュゼ Café des Musées」がまさにそれ。

実はここ、場所が良いので数年に一度来ていて、名前も覚えやすいし、そこそこ美味しいという記憶があったので、再びトライしたわけです。するとメニューが以前とは違っているよう。そのメニューの中にあったのがその名も「パリでいちばんのブフ・ブーギニョン(牛肉のワイン煮込み)」でした。みずから「いちばん」を名乗るとは・・・

 


(写真ではわかりづらいですが、絶品!牛肉のワイン煮込み)

注文してテーブルにやってきたのは、最近日本でも人気「ストウブ」のココット鍋に入った牛肉のワイン煮込み。見るからに濃厚です。そしてソースをスプーンにとって口に入れるとびっくり。なんでしょうこの味は。融け出した肉の旨みとほんのりした甘味と赤ワインの渋味の融合。おそらく何か隠し味を仕込んでいるであろう複雑な美味しさ

 

ここにも日本人シェフの姿が!

 

話を聞くと、かつてここでは日本人の菊池大輔さんが料理人を務めていたのですが、彼が一度ここを離れてから客足がガクッと落ちたのだとか。オーナーが変わって2017年に菊池さんを呼び戻し、このメニューを加えて再生を期したのだそうです。

その話はまったく知らず偶然に来たのですが、この美味のウラにはまたしてもパリで活躍する日本人シェフの存在があったのでした。

いっしょに注文した「豚肉のロースト」もかなりの美味しさ。ここはリピート確定!です(シェフとメニューが変わらないかぎり・・・ですが)


<Information>

Café des Musée カフェ・デ・ミュゼ
49 Rue de Turenne, 75003 Paris
公式ウェブサイト
http://www.lecafedesmusees.fr/