日記

バゲットコンクール2016優勝の店はパンのお焦げが好きな方におすすめ

 

パリのブーランジュリー(パン屋)界において、バゲットコンクールの重みはとても大きいもの。優勝すればエリゼ宮(フランス大統領府)の1年間のパン納入業者になり、もちろん数多くのメディアでその栄誉が讃えられ、客が一気に押し寄せる!という現象が起きます。

2016年のバゲットコンクールで優勝した店「ラ・パリジェンヌ」も同じ。優勝が決まったあとは、それまで約600本だった1日のバゲットトラディション(伝統製法で作るバゲット)販売数が2倍になったというからその影響力は相当なものです。そこでいかに味を落とさずにやっていけるか。それも、ブーランジュリーの腕の見せどころ、というかふんばりどころ、のようです。

 

皮がパリっと香ばしさがたまらない!


photo by Takeshi

バゲットにもいろいろな「顔つき」がありますが、ここのバゲットは同じバゲット・トラディションでもかなりクラシックな感じ。時にはちょっと焦げ目があるくらいのパリっと焼けた感じで、中もしっかりめのパンの立ち方。そのままかぶりついたら口の中が切れそうなくらいの勢い。少し強めの香ばしさが好きな人にはきっとたまらないバゲット、ということになるでしょう。

バゲットコンクールは、パリ市内のパン職人さんが参加して毎年行われるもので、おおむね250人くらいがエントリーして優勝者と入賞者が決まります。「ラ・パリジェンヌ」はパリ市内に5店がありますが、そのうち今回優勝したのはパリ6区のマダム通り店。ここは「ラ・パリジェンヌ」の経営者ミカエル・レドゥレと、職人のフロリアン・シャルルによる共同経営。今回はフロリアン・シャルル氏がエントリーして優勝を勝ち取りました。フロリアン・シャルル氏は、パリのいくつかのブーランジュリーで職人として働いていましたが、製法の違いを学ぶために日に2軒の仕事を掛け持ち!していたというツワモノ。その意気を買って、ミカエル・レドゥレ氏が共同経営を持ちかけたといいます。

ほかにもおいしいパンが勢揃い

 

ほかのパンもかなりいい顔つきをしています。全体として焼き方しっかりと軽くない感じ。今回バゲットと一緒に試してみたのが、写真の「FEUILLETEE フイュテ」というタイプのパン。薄めの生地を巻いて作るパンですが、有名なブルターニュ地方ゲランドの塩を使っていて、ほのかな絶妙の塩加減がある味が最高。


photo by Takeshi


中はしっかりパンが立ってます。

そしてもう一つ、まだ試していませんがかなり美味しそうなのが「ライ麦のフイュテ」と名づけられたパン。これまた焼き具合がしっかり目で、まるで木の工芸品のような美しい色目と、幾重にも重なる層。こちらは2016年のこちらは全国「フランスパン選手権」のファイナリストになったパンだそうです。

 

この界隈は、住宅と会社、大学などが混じり合ったエリアで、ランチ需要が多いところ。クロワッサンでは間に合わない、お腹をすかした男子諸君のために(あるいは細いのに大食漢で肉好きのパリジェンヌも)ハンバーガーセットも用意。人気なのかかなり数が並んでいておいしそうです。

2016年の優勝から丸3年。味はまだまだ衰えていないように見えますが、もしかするとそろそろ次の栄誉がほしいところ、でしょうか。いずれにしても人気店。人影まばらな夜20時の街で、ここだけはひっきりなしにお客さんが訪れていました。


2016年コンクール優勝のマークが今も輝く

 


<Information>

La Parisienne ラ・パリジェンヌ マダム通り店

48 rue Madame 75006 Paris
公式ウェブサイト