日記

フランスのカフェの良さを、ギュッと凝縮したような穴場スポットを発見!

 

パリのカフェといえば、どんなイメージをあなたは思い描くでしょうか。サンジェルマン・デ・プレ地区の「Café Les Deux Magots カフェ・レ・ドゥ・マゴ」「Café de Flore カフェ・ド・フロール」のシックなイメージ?あるいは映画『アメリ』に出てくる「ドゥ・ムーラン」のようなちょっとレトロで庶民的なカフェでしょうか。

 

昔はフランスのカフェといえば、カウンタースペースと狭いところにテーブルがたくさんならんだクラシックなところだけでしたが、最近はアメリカやその他のスタイルがだいぶ進出。スターバックスのように世界共通の決まった内装デザインの店も増えたりして、だいぶ様変わりしてきた気がします。

そんななか独特の世界観をインテリアに貫き、数多くの客を集める人気カフェがあります。それが「Le Timbre Poste ル・タンブル・ポスト」です。

 

ごちゃごちゃしているのに不思議とかっこいい

 

正確にいうと、場所はパリ市内ではありません。パリの南側の端っこ、週末にはノミの市が出ることで知られるメトロ13号線「ポルト・ド・ヴァンヴ」の駅から南に向かって徒歩5分。パリ市の境界線を出てほんの1分くらいの郊外にあります。

 


photo by Takeshi

もうお店を見つけた途端に、何か違う空気が漂っています。庇の上には、「Pub」と書かれたネオンだったり、ふだんはお店にひとつかふたつしか置いていないような色とりどりの看板がいっぱい。

 

店内に入ると、その別世界感が全開です。ポスター、ライト、ブロマイドなどありとあらゆるレトロな広告を所狭しとレイアウト。照明も凝っていて、夜はライブなども行われるとあって、スポットライトも装備。正真正銘のカフェ・ブラッスリーですが、他ではもうみられないかもしれない往年の趣きと輝きを徹底的に貫いていることがすごいです。


photo by Takeshi

 

カフェ定番のメニューがずらり。しかもおいしい

 

メニューはといえば、フランスでは定番の「コンフィ・ド・カナール(鴨のコンフィ)」や焼きサーモン牛肉のタルタル(主に生肉をミンチにしたもの)などなどまさにパリのカフェ・ビストロの定番料理ばかり。

デザートは、ショコラムースガトーバスククレーム・ブリュレ、パンナコッタと、こちらもかなり昔ながらの伝統的なものばかり。しかし、メインもデザートも、しっかり本場の味でハズしません

週末のランチタイムになると、この静かな郊外でどこから人が来るのだろうと思うような混み具合。もともと狭いテーブル席なのに、さらに狭く、つまりパリらしく、昼前に行かないと入れないほどの盛況ぶり。


photo by Takeshi

 

実はまだ夜のこの店に行ったことがありませんが、夜になると雰囲気は昔ながらのパリのバーに早変わり。何十本と逆さにされグラスに注がれるのを待つリキュールのボトルが、怪しいネオンで照らされ、雰囲気を盛り上げます。時にはライブも開催されるとか。

おしゃべりするお客さんの声や注文をとるギャルソン、ギャルソンヌの声、ときどき隣り合ったお客さんが会話をはじめたりと、にぎやかなパリのカフェめし。フランス人のフードライターさえ「ちょっとクレイジー」と言うほどの楽しさがつまったカフェをぜひ体験してみては。

 


<Information>

Le Timbre Poste ル・タンブル・ポスト

1 Rue Rouget de Lisle, 92240 Malakoff
9:00〜深夜2:00 無休
メトロ13号線またはトラムT3a「Porte de Vanves ポルト・ド・ヴァンヴ」駅から徒歩