日記

パリで、日本人が、ペルーの「家庭の味」に感動する理由

 

以前、メキシカンブランチの店「Café Chilango」のご紹介でお話したように、パリの多国籍料理ぶりはなかなかのものです。外国から来ている移民も多く、メインはフランス人向けとはいえ、おいしいところ、あるいはその国の家庭料理を出すような店だと、かなりその「同胞」の皆さんがやってきて、故郷の味を懐かしみ、安心して帰って行くというところが多くなります。

今日ご紹介するMi Perú ミ・ペルー」もそのひとつ。名前の通り、ペルー料理店。名前からして家庭料理の香り。ちなみにスペイン語で「私のペルー」という意味です。

 

魚介の国の人だから

 

ここMi Perú ミ・ペルー」は、パリで数軒しかない本格的ペルー料理店のひとつ。ペルー人の家庭が主体で経営していて、友人のペルー人がお墨付きを与えるおいしさです。

ペルーは中南米の国。大きな海岸線を持ち、そのすぐ背後にはアンデス山脈。海に沿って街が連なっているので、必然的に海の幸が食文化の重要な位置をしめるようになります。

つまり日本人にとっては、天国のようなレストラン。

フランスという国もさんざん海に接していますし、実際魚介類も少なくはないのですが、イタリア人やポルトガル人に比べると、どうにも魚の扱いがわかってない。もちろん沿岸部に行けば違ってくるのでしょうが、パリに関していえば魚屋さんは割と(悪い意味での)魚くさいことが多く、レストランでもそのまま煮るか焼くかのどちらか。あまり工夫がありません。そしてなぜかほとんどタコを食べません。

その点、ペルー料理は魚介の美味しさをわかっています。特にタコを食べたい日本人の気持ちにぴったりです。やはりこの店のおすすめは、魚介のセビーチェ。「セビーチェ」は簡単にいえば魚介のマリネ。タコや白身魚をタマネギやトマト、香草や唐辛子、ジャイアントコーンをほぐしたものと混ぜ、レモンをたっぷり搾ったものです。

このレモンを搾ったタコが絶品。新鮮なタコがパリで食べられる場所はそれほどないでしょう。さすがは「魚介の国の人」です。

 

お店はペルーの人でいっぱい

 

パリの中心部ではありませんが、バスチーユやナシオン地区からほど近い住宅地のため、フランス人の客も多いですが、やはりペルーの「家庭料理」、ペルー人の来客率が高いのが特徴です。

ほかにも、魚介のフライや煮込み、あるいは肉料理も焼肉のようなタレを使った炒め物など、かなり日本人好みです。

これまではずっとマイナー路線を走ってきたパリのペルー料理ですが、最近はペルー人シェフGastón Acurioの活躍などもあって、少しずつですが、人気が出てきているような気がします。

ちなみにこのGastón Acurioは、2016年に高級ブティック街として知られるモンテーニュ通りの一等地、シャンゼリゼ劇場の建物に誕生したペルー料理(フュージョン)レストランのプロデューサーも務めて人気を博しました。残念ながらこのお店はその名前のせいか、日本語の雑誌などではまったく紹介されませんが・・・。

 


<Information>

Mi Perú ミー・ペルー

7 Rue Rondelet, 75012 Paris
01 43 47 35 54

営業時間 12:00〜15:00 / 19:00〜23:00
/日曜日は12:00〜17:00