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パンセクシュアルって何?リナ・サワヤマ登場で注目のLGBT概念!

日本生まれ、英国ロンドン育ちで、いま世界の注目を集めるポップシンガー、リナ・サワヤマ(Rina Sawayama)さん。

彼女が「パン・セクシュアル(パン・セクシュアリティー)」であると表明していることで「パン・セクシュアルって何?」という声が上がっています。

最近、欧米社会はもちろん、日本などアジアでも何かと話題のLGBT(Lesbian / Gay / Bisexual / Transgender=性的少数者の総称)概念ですが、「パン・セクシュアル」はそのどこに入るのか、それともまた別の概念なのか。。。など、できるだけわかりやすくご紹介したいと思います。

 

Contents

「パン・セクシュアル」って何?その意味と概念

「パン・セクシュアル」の辞書的な意味

パン・セクシュアル(パン・セクシュアリティ)は英語でPan-Sexual (Pan-Sexuality)と書き、そのまま訳せば「全性愛」となります。ちょっとわかりづらいでしょうか。

「Pan-」とはラテン語で「すべての、あらゆる」という意味で、たとえばスポーツの競技などにある「パン・パシフィック」は「全太平洋・環太平洋」という意味あいになります。

バイ・セクシュアルとの違いは?

この「パン・セクシュアル」は「バイ・セクシュアル」と比べるとわかりやすいかもしれません。

バイ・セクシュアル(バイ・セクシュアリティ)は「バイ bi-」が「二つの、両方の」という意味なので「両性愛」と訳されます。二つの車輪がついた乗り物が「バイシクル」だと考えれば「bi」の意味は想像しやすいですね。これはつまり「男」も「女」も両性を愛することができる、ということになります。

「パン・セクシュアル」も同じなんじゃないの?といわれそうですが、ちょっと違います。一般に「パン・セクシュアル」とは人の性を認識しない人という風にいわれています。相手のことを男性であろうが女性であろうが、単なる「人間」として認識して、性を意識しないというのです。

これは異性を愛するヘテロの人間にはなかなかわかりにくいのですが、相手の性やジェンダーが何であろうと、それを理由に人を愛することがない、という解説になります。「女である相手が好き」「男である相手が好き」ではなく「その人が好き」ということですね。

リナ・サワヤマの「パン・セクシュアル」表明

リナ・サワヤマさんは「自分は『パン・セクシュアル』である」と公言しています。

以前は「バイ・セクシュアル」だった(と自分を認識していた)そうですが、いまでは性差を意識しない「パン」であると自分を認識しているそうです。

流行の最先端を行く女性を呼び方で、英国には「It girl」という言葉があるそうですが、Rina Sawayamaはその一人として、「国境、性別、価値観など、あらゆるボーダーを乗り越える新しい感覚の持ち主」と注目されています。

彼女は、英国ケンブリッジ大学の出身ですが、在学中、白人社会のケンブリッジにおいてひどい「いじめ」を経験したといいます。しかもそれは女性たちからのものでした。これによってRinaは、鬱状態になり、自殺も考えたと話しています。

「つまらない差別から解放され、皆が平等に扱われる世の中を目指す」

その思いを強くした彼女は、こうした人種や性別といった、個人の人格と関係のない「カテゴリー」での区別や差別に違和感をもつようになったのかもしれません。

そんな彼女を形成した、彼女の経歴、海外の評価についてはこちらの記事をご覧ください。

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リナの唄に現れる「パンセクシュアル」

ライフスタイルマガジン「Numéro」の2017年9月のインタビューで、Rina Sawayamaさんは、こう語っています。

「ラブソングの歌詞は異性愛が普遍とされているものが多いけど、私の曲は彼も彼女もごちゃ混ぜなんです。私はバイで、それをオープンにしていますが、いまの日本におけるセクシュアルマイノリティの課題やフェミニストムーブメントについてもリサーチしたい」

まだこの頃は「バイ」を自認していたようですが「彼も彼女もごちゃ混ぜ」の歌詞には、こうした彼女のセクシュアリティへの認識があらわれているといいます。

ケンブリッジ大学で心理学や社会学を専攻していた彼女。こうしたジェンダーの社会的な意味、その今について関心があることを伺わせます。

(具体的な歌詞の内容については鋭意調査中です)

Rina Sawayama で注目された「パンセクシュアル」 まとめ

 

これまで日本出身のアーティストで海外でも人気があったのは、どちらかといえば「Kawaii」系、「原宿」系といったラインだった気がします。

Rina Sawayamaは、そういった意味ではこれまでとはまったく一線を画す存在。いま世界で共通のイシュー(争点)になっている「ジェンダー」「LGBT」「パンセクシュアル」「バイセクシュアル」といったテーマに言及し、実際にそれを「歌」という形で表明した日本人シンガーというのは、これまであまり例がないでしょう。

しかもそれが自身の経験や思いとつながっているということで、「逆境に寄り添う」姿勢が、人々の、とりわけ多くの女性の共感を得ているのかもしれません。

いまの世界に共通するテーマを唄うRina Sawayama。楽曲だけでなく、さまざまなメッセージを込めた作品と彼女自身の人生が、これからまだまだ注目されていくこと間違いなしです。

最後までご覧いただきありがとうございました!