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灯籠流しはどこへ?回収するの?広島・嵐山・永平寺の実態を調査!

 

夏の風物詩ともいえる「灯籠(とうろう)流し」。

死者の霊や魂を弔って行う灯籠流しの行事は、先祖の霊を祀る(まつる)お盆の時期や夏休みにあわせて行われることが多いようですね。

地域によって、火を灯した灯籠(灯篭)や盆のお供え物を川や海に流したり、そのバリエーションはたくさんありますが、流した灯籠などをそのあとどうするのか、ちょっと気になりませんか。

ということで『灯籠流しはどこへ?回収するの?広島・嵐山・永平寺の実態を調査!』と題し、全国でも有名な3つの灯籠流しについて、その状況を調べて見ました!

Contents

灯籠流しはどこへ?回収するの?元安川・広島の原爆ドーム前

毎年8月6日の「原爆の日」に合わせて、広島市の原爆ドーム前を流れる元安川で行われる灯籠流し。

原爆による犠牲者を悼み、さまざまなメッセージが描かれた約7,000個の灯籠が川に流されます。

ここ広島の灯籠流しは、原則としてすべて回収されています。

広島の灯籠流しは、団体や学校などそれぞれの主催者がスタッフやボランティアなどで進行と自主回収を行うことになっているそうです。

また元安川をはじめ、広島の川は船の航路になっているので、19時以降に開催。かつ、潮位で川の水位が変わるので低い時には開催できないこともあるそう。

広島のNPO法人「雁木組」さんのように、主催者の依頼を受け、船を出して回収を請け負っているところもあります。

NPO雁木組ウェブサイト

ちなみに、広島の灯籠流しの火は、被爆後1ヶ月の火を持ち帰って灯し続けた火がなんと福岡県八女市(やめし)に保存されていて、毎年そこから採火されているんだそうです。

灯籠流しはどこへ?回収するの?京都嵐山は?

ところかわって、今度は「京都・嵐山」

毎年8月16日、有名な渡月橋の付近で「嵐山灯籠流し」が行われます。

行事としての歴史はそれほど古くなく、昭和24年(1949年)に戦没者を慰霊するためにはじまったのだそうです。

ここも流れた灯籠は下流で回収されます。

こちらは、すでに灯籠が流れる場所が決められていて、ちょうどプールのコースの拡大版のような浮きロープのあいだを灯籠が流れていき、最後のところで素早く回収されるようです。

うまく流れるとキレイにばらけて、幻想的な雰囲気になるようですね。

 

灯籠流しはどこへ?回収するの?福井・永平寺燈籠ながし

福井県吉田郡永平寺町で行われるのは、九頭竜川の「永平寺大燈籠ながし」です。

これはお盆のあとの土曜日(2019年は8月24日)に永平寺河川公園で行われるもので、永平寺の雲衲衆(うんのうしゅう=全国から集まる禅僧)による読経のあとに、約1万個の燈籠が流されます。

燈籠ながしとしては国内最大級だそうで、クライマックスには花火も上がり、幻想的な夜に先人への感謝と供養への想いを託します。

ここでもやはり、燈籠は下流で回収されます。
回収した燈籠は、翌日永平寺の僧によって「お精抜き」(燈籠から精霊を抜き出すこと)をしたあと、お焚き上げするそうです。

下の映像で永平寺のイベントの様子をご覧いただけます。
燈籠ながしのところから始めていますが、前半は読経の様子も映しだされ、これも幻想的かつ圧巻です。

おわりに

以上『灯籠流しはどこへ?回収するの?広島・嵐山・永平寺の実態を調査!』と題して、灯籠流しの灯籠がどこへ行くのか。それをどうするのかについて調べてみました。

お祭り、イベントにもよりますが、回収していることが多いようですね。伝統的な精霊流しや灯籠流しでは、昔はそのまま流しているところも多かったようですが、どうしても形として残るものですし、数が多ければ川の汚染や水質にも影響しますので、回収はやむを得ないかもしれませんね。

最近では「水に溶ける」灯籠も販売されたりしているようですが、「溶ける」は「なくなる」わけではなく、紙の成分や糊などは水に溶けて流れ、川や海を汚すことになってしまうので、多くの自治体や河川管理事務所では、回収をするよう求めているようですね。

先祖や戦争の犠牲者をやすらかに祀り、祈りをささげ、そのあとはきちんと回収して環境も守る。それが現代人のあり方なのでしょう。

最後までご覧いただきありがとうございました!