日記

洗練されていて、しかも味は本物!まもなくブレイクの予感のケーキ&パン

 

パリでも人気のエリア、サンジェルマン・デ・プレ地区にとなりあう、Rue du Bac駅界隈。ここから老舗百貨店のLe Bon Marché ル・ボン・マルシェにつながる「Rue du Bac バック通り」は、このあたりに住むブルジョワな人々のご用達ショップがならぶ、パリでもシックなエリアのひとつです。

今日はこの通りで、まるで宝石のようなパンやケーキを作る「Des Gâteaux et du Pain デ・ガトー・エ・デュ・パン」をご案内いたしましょう。


photo by Kyoko 

 

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Rue du Bac 日本語では「渡し船通り」?!

 

Rue du Bacの「bac」というのは何かというと、フランス語で「渡し船」のこと。今セーヌ川にかかっているロワイヤル橋のところに昔は渡し船があって、川の反対側に人や物を渡していました。そこに向かっていく道、ということで「渡し船通り」と名づけられて、渡し船が橋に変わったあとも通りの名前だけがそのまま現代まで残っているというわけです。


昔「渡し船」があったあたりに今かかる「ロワイヤル橋」 photo by Takeshi

つまりここは16世紀の昔からある通り。ショップやレストランがまるで商店街のように多くならんでいるのは、その当時の街道筋の名残りといえます。

 

昔ながらの製法のパンと洗練されたケーキ

 


photo by Takeshi

さぁ、そして今回ご紹介する「Des Gâteaux et du Pain」は、この「渡し船通り」をずっと南へと行って、パリの老舗百貨店「Le Bon Marché ル・ボン・マルシェ」へもうすぐというところにあるパン屋&ケーキ屋さん。ケーキに関してはこのあたりは激戦区で、最近日本に進出した「Hugo et Victor ユーゴ&ヴィクトール」など競争相手が多いぶん、どこも味が平均点をかなり超えてきます。

ところでこの店の名前「Des Gâteaux et du Pain」は、日本語でいうなら「ケーキとパン」という意味で「えーっ」と思うほどシンプルな名前ですが、フランス語で「デ・ガトー・エ・デュ・パン」というとそれらしく聞こえるから不思議。

 

パンに関しては、カンパーニュ(田舎)パンを主体に、どれも小麦の風合いを活かした個性的な風味が最高です。もう見るからに美味しそう。


photo by Takeshi

ハードめの周囲と軽やかな中身。この絶妙なパンを作り出すために発酵の時間や焼き方にはかなりこだわっているそう。


photo by Kyoko

そしてケーキのほうは、繊細な味わいと洗練されたデコレーション。こちらも見るからに美味しそうです。


photo by Kyoko 

一流パティスリー、ホテルでの経験から独立へ

 

この店をつくったClaire Damon (クレール・ダモン)さんは、もともとはパティシエール=ケーキ職人。実はまだ駆け出しの頃に、ピエール・エルメという今や日本でも有名なパティシエ&ショコラティエに見いだされ、オーベルニュ地方というフランス中南部からパリにやってきました。

そこからラデュレ、ブリストル、プラザ・アテネと一流どころのパティシエとして経験を積み、2007年、パリ7区のパスツール大通りにパン職人の店を構えましたが、人気を得てさらに今の「渡し船通り」に2軒目をひらいたというわけです。

今回実食して美味しかったのは、このフォッカチャ(イタリアのパン)。


photo by Takeshi

 

ふっくらもちもちの生地、たっぷりのオリーブ。本場イタリアのフォッカチャを洗練させたような味わい。そしてデザートには、ショッソン・オ・ポム(靴下の形?をしたりんごのパイ)ならぬ、ショッソン・オ・シトロン、つまりレモン味のクリームが入ったパイです。これもまたしっかりした美味しさのレモンクリームに、絶妙な焼き加減とサクサク感のパイ。言うことありません。

デザート界のセザール賞ともいわれる賞「Prix d’Excellence Relais Desserts」2018年のNo.1店舗に選ばれたのがこの「Gateau et du Pain」 。もうパリでは知られた存在ですが、もうすぐ大ブレイクの予感、です。


<Information>

Des Gâteaux et du Pain デ・ガトー・エ・デュ・パン

89 Rue du Bac, 75007 Paris
営業時間10:00〜20:00(日曜は18:00まで、火曜定休)