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箱根山噴火警戒レベル2とは何?前回はいつ?そしていつまで続く?

日本人なら誰もが知る温泉の名所「箱根」。そのシンボルである神奈川県の箱根山(はこねやま)について、気象庁地震火山部が「噴火警戒レベル」を1から2に引き上げました。

といっても多くの人にとっては、噴火警戒レベルの「レベル2」って何?から始まり、それってどんな影響があるの?そして前はいつだったのか?これからどうなるの?などなど「?」がいっぱいですよね。

ツイッターなどを見ていると「そもそも「箱根山」ってどこなの?」とか「東京都新宿区の箱根山じゃないよね?!」などといった声も上がっています。

東京にも近いですし、今後の動きが気になるところ・・・

ということで、こうした「?」についてメディアや気象庁などの情報をもとにまとめてみました!

Contents

箱根山ってどこにあるの?噴火警戒レベル2って何?

箱根・・と漠然と言っていますが、その中心の「箱根山」がどこにあるか、そしてその周辺との位置関係がどうなっているか、見てみましょう。

箱根山の場所は?

箱根山は、神奈川県足柄下郡箱根町というところにあります。東京からは直線距離で約100km。まわりには有名な箱根温泉エリア、小涌谷、芦之湯、強羅などが箱根山の山麓に広がっています。(下のgoogleマップをクローズアップしていただくと箱根山周辺の地理がわかりやすくなります)

お正月恒例の「箱根駅伝」の往路最終区(5区)は、この箱根山の山あいを走って登って行って、箱根山が3000年前の大噴火でこしらえた「芦ノ湖」の湖畔まで走っていくことはよく知られていますね。(googleマップで「小涌谷」から芦ノ湖の南湖畔へうねうね上がっていく道です)

また念のためですが、同じ「箱根山」でも新宿区戸山、早稲田大学の近くにある「箱根山」とはまったく関係がありません。

 

 

箱根山の噴火警戒レベル2って何?

箱根山は東京にいちばん近い「活火山」!つまり実際に活動している「火山」です。まわりでは静かな火山活動がつづいていて、これがゆえに日本有数の、そして良質な温泉が涌いています。

この静かな火山活動が、ここ最近活発化してきたそうです。5月18日土曜日からは箱根山で火山性地震が増加してきていて、大涌谷の周辺では噴気活動という、蒸気を上げる火山活動が活発になってきているようです。

そこで気象庁では、噴火警戒レベルを通常の「1」(活火山であることに留意)から、「2」(火口周辺規制)に引き上げました。

「噴火警戒レベル」は5段階あって、箱根山は活火山なので、普通でも「1」になっています。それが「2」になると、箱根山の頂上付近にある火口の近くに影響が出てくるので、火口周辺への立ち入り規制が行われたりしますが、住民生活は通常通りで大丈夫という警戒レベルになります。

レベル1(活火山であることに留意)状況に応じて火口内への立入規制等
レベル2(火口周辺規制)火口周辺への立入規制等
レベル3(入山規制)登山禁止や入山規制等危険な地域への立入規制等。状況に応じて要配慮者の避難準備等
レベル4(避難準備)警戒が必要な居住地域での避難の準備、要配慮者の避難等が必要
レベル5(避難)危険な居住地域からの避難等が必要

ということで今回のレベル「2」への引き上げでは、火口付近で影響をおよぼす噴火の可能性はあるが、周辺の町で危険が迫ってきたり、温泉に行けなくなる、などの影響はない、ということですのでひと安心ですね。

ただし、19日現在、火口想定域近くを入る名所「大涌谷(おおわくだに)」の見学は規制、その上を通る「箱根山ロープウェイ」の運行も中止されていますので、観光の方には残念ですが影響が出ています。

大涌谷はここです↓(衛星写真モードにするとわかりますが火口域のすぐとなりです)

下は5月19日現在の立ち入り規制やロープウェイ運休の状況です。ロープウェイ運休の代わりにバスによる振替輸送が早雲山〜桃源台間で行われています(大涌谷は経由しません)

神奈川県ホームページ(箱根・大涌谷情報)より引用

 

箱根山の噴火警戒レベルの引き上げ・・前回はいつ?

箱根山で噴火警戒レベルが引き上げられたと聞くと、前に引き上げがあったのはいつだろう?とちょっと気になりませんか。

それは意外と最近。

いまから4年前の2015年にありました。

このときは、2015年4月に大涌谷周辺で「火山性地震」が増加して、5月6日に「噴火警戒レベル2」に引き上げ。そして6月29日には箱根山の火山観測史上はじめて「火山性微動」という噴火にともなう震動が起こって、翌6月30日には「噴火警戒レベル3」へと引き上げられました。

(2015年の状況です)

(2015年の状況です)

噴火警戒レベル3となると、住民の居住地域の近くまで影響がおよび、火口域を超えて噴石や火山灰が発生する可能性があるということで、2015年の時にも入山規制が行われたり、箱根ロープウェイの運転を中止したりする影響が出ました。

2015年9月には「噴火警戒レベル」を2に引き下げ、さらに11月には「1」に引き下げましたが、そのあとも2016年までは大涌谷の周辺では立ち入り規制などの影響が出たようです。

箱根山でその前に噴火があったのは、約700年前のことだったらしいのですが、文献などの記録には残されておらず、2015年は初めて箱根山の噴火が記録に残ることとなりました。

箱根山の噴火警戒レベル引き上げは、いつまで続く?

5月18日に行われた「噴火警戒レベル2」への引き上げは、いつまでつづくのでしょうか。

こればかりは自然のなりゆきに任せるしかない、のでしょうが、前回の2015年の時には、噴火警戒レベル2に引き上げられたあと、1ヶ月半後に「噴火警戒レベル3」にさらに引き上げられました。今回も同じような経過をたどる可能性もあります。

5月20日に神奈川県庁で県や地元の箱根町、気象庁などによる箱根山火山防災協議会が開かれた際には、気象庁から噴火警戒レベルの2が今後少なくとも1カ月は続くとの見通しが示されたそうです。

もちろん、このまま火山性の活動が落ち着いていく可能性もあります。

いずれにしても、2015年に続く今年の噴火警戒レベルの引き上げというのは比較的ペースが早いようにも感じます。箱根山は活動期に入っているという話もあり、まずは今後の火山活動や地震活動に関する情報に注意しておく必要がありそうです。

またこうした「噴火警戒レベル」の引き上げは、その後安全性が確認できてもう一度引き下げをするには慎重な判断が求められるので、この火口周辺の立ち入りを規制したり、ロープウェイが運休する状態が長期化する(前回は半年程度)可能性はありますので、観光に行かれる方は注意したほうがいいかもしれません。

箱根山の噴火警戒レベル引き上げ・・まとめ

箱根山の噴火警戒レベルが「1」から「2」に引き上げられましたが、火口周辺に行かない限り、私たちの日常生活には今のところ影響がないレベルです。

今後、噴火の可能性があるとすれば火口域周辺ですが、ひとたび噴火が確認されれば警戒レベルは「3」に引き上げられる可能性もありますし、そうなると箱根山への入山規制や、ロープウェーの運休の長期化など、箱根山周辺でさまざまな影響が出てくることもありそうです。

2015年にはそれが起きて、約700年ぶりといわれる噴火(溶岩を生みだすような噴火ではなく水蒸気噴火)が起きました。

やみくもに怖がることはなさそうですが、箱根に旅行に出かけたりする人は最新の情報には注意していたほうが良さそうですね。

今回も最後までご覧いただきありがとうございました!